左甚五郎② ~ 歩き回る動物たち

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日本舞踊のストーリーを読み解いて、そこに登場するキャラクターたちの現代にも通じる想いをお伝え
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もしかしたら、あなたの悩みを解決するヒントがみつかるかも…

今回は、江戸時代伝説の彫刻師、左甚五郎(ひだり じんごろう)が残した作品にまつわるお話です

|伝説の彫刻師

左甚五郎が彫ったとされている作品は、東京都台東区にある上野東照宮唐門の「昇り龍」と「降り龍」、
埼玉県秩父市の秩父神社にある「つなぎの龍」、和歌山県紀の川市の粉河寺にある「野荒らしの虎」、
京都祇園祭「鯉山飾り」の鯉と波など全国各地にあります。
そして、どの作品もあまりにリアルだったため、そのほとんどに動き回ったという逸話が残されています。
これが左甚五郎が「伝説の彫刻師」として広く知られるようになった由縁のひとつです。

|作品

左甚五郎の作品と作品にまつわる逸話は数多く残されていますが、そのなかで栃木県日光市の日光東照宮に
ある「眠り猫」と東京都台東区の東叡山寛永寺にある「水呑みの龍」の逸話をご紹介しようと思います。

*逸話には諸説ありますが、ここでは広く知られた説をご紹介します。

|眠り猫

日光東照宮の「眠り猫」は、徳川家康の霊廟(墓所)への入り口、奥宮のくぐり門にある国宝の彫刻です。
「眠り猫」が彫られた理由には、徳川の世が猫が眠り続けていられるほど平和で穏やかであることを意味
しているとか、日の光を浴びてうたた寝している様子から地名の「日光」に因んで彫られたとか、
寝ていると見せかけて霊廟を守る門番の役割を果たしているとか、など諸説あります。
有力とされているのは、裏側に彫られた2匹の雀との対比です。猫は起きていれば雀を襲いますが、
眠っている猫は雀を襲うことはありません。長かった戦国時代が終わって平和な世の中になったことを
形にして、徳川家康が願った平和と安定、共存共栄を意味しているという説です。
しかし、
「眠り猫」は初めから眠っていたのではないという説もあります。日光東照宮の象徴といわれている
陽明門の未完の完成を祝う宴会の残り物をこの猫が食べたので、甚五郎が一刀で眠らせたというものです。

*日光東照宮の陽明門は、「満つれば欠ける」の故事に基づいた、完成したものはやがて崩壊してしまうという思想から、わざと未完成にして
災いを避ける意図があるといわれています。

|水呑みの龍

上野東照宮の唐門の「昇り龍」と「降り龍」も甚五郎の作品と呼ばれていて、徳川家康の「偉人ほど頭を垂れる
(立派な人ほど謙虚である)」という教えに基づいて、頭が下を向いている方が「昇り龍」と呼ばれています。
この龍にも夜な夜な不忍池へ水を飲みに行くという伝説がありますが、すぐ近くにある東叡山寛永寺にも
「水呑みの龍」の伝説が残っています。
三代将軍徳川家光が東叡山寛永寺の鐘楼建立にあたり、東西南北の四方の欄間に龍の彫り物を施すことになり
ました。そこで、日本各地から彫り物の名人が集められ、そのひとりが甚五郎でした。甚五郎は本物の龍を
見たことがないと一度は断りますが、強い要請があり引き受けることになります。そこで、不忍池の弁天堂に
願掛けをして、その御利益からか、雷鳴とともに池に水柱が立ち、一匹の龍がものすごい勢いで天に向かって
いく夢をみます。そうして甚五郎は龍を彫り上げますが、甚五郎の龍は他の3人の彫った龍に比べて頭がとても
大きかったといいます。「この龍は柱に掲げてこそ真の龍になります」という甚五郎の言う通り、四体の龍を
鐘楼堂の柱に掲げると甚五郎の彫った龍だけは本当に生きているように見えたといいます。甚五郎は、距離が
ある場所より下から見上げた場合を考えて彫っていたのです。
あるとき、不忍池の方から水音を聞こえ、龍が水を呑んでいると大騒動になります。しばらくして水を呑んだ
龍は鐘楼堂の方へ向かっていくと消えますが、そのとき甚五郎の彫った龍がびっしょり濡れて滴がしたたり
落ちていました。
その後、家光が鐘楼堂へ訪れ、甚五郎の彫った龍の見事さに感心しますが、夜な夜な柱から抜け出して不忍池へ
水を呑みに出かけるのは世間に迷惑がかかると足止めを命じます。甚五郎は「可愛そうだが足止めをする」と
言って金槌で龍の頭へくさびを打ち込むと、その夜から龍は水を呑みに降りなくなったといいます。

|最後に

いかがでしたか。
左甚五郎の作品はビックリするほどたくさん残されていて、パワースポットとされているところも多いので
実際に作品巡りをしてみるのも楽しそうです。
次回は、左甚五郎の謎に迫りたいと思います。

 

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