左甚五郎⑥ ~ 鼠

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いまも昔もヒトの考えることって実はあんまり変わらない。
日本舞踊のストーリーを読み解いて、そこに登場するキャラクターたちの現代にも通じる想いをお伝え
していきたいと思います。
もしかしたら、あなたの悩みを解決するヒントがみつかるかも…

前回に引き続き、江戸時代伝説の彫刻師、左甚五郎(ひだり じんごろう)が活躍する落語のお話です。

|落語

江戸時代半ば、武士や貴族などの上流階級に好まれていた滑稽な話は庶民の間へと広まっていきます。
凝った衣装や舞台装置を使用せず、演じ手が扇子や手拭いで一人で何人もの登場人物や情景を身振り手振り
で演じ分け、聞き手の想像力で物語の世界を広げていくシンプルなスタイルは、庶民にとって身近な芸能
として大変人気がありました。話の最後には、ウィットに富んだ「落ち(オチ)」や「下げ(サゲ)」があり、
「落語」という名前ももともと「落とし噺」と呼ばれていたことに由来しているといわれています。
今回は、前回の「左甚五郎⑤ ~ 竹の水仙」でお話した「甚五郎もの」の中から大人気作品の「鼠」のあらすじ
をご紹介しようと思います。

|鼠

旅好きの左甚五郎は仙台の宿場町にやってきています。宿引きの子どもに誘われて「鼠屋」という宿に泊まる
ことになりますが、そこは、腰の悪い主人と11歳の息子の2人でやっている、布団もないようなとても貧しい
宿屋でした。
主人によると、もともとは向かいにある「虎屋」という立派な宿屋の主人だったが、妻に先立たれ、仲居を
後妻に迎えたといいます。ある日、お客の喧嘩の仲裁に入った際、階段から落ちて腰を打って立てなくなり、
母屋にいても迷惑になるだろうと向かいにあった物置小屋に息子と移り住むことにしました。
ところが、この後妻の仲居は、もともと番頭と恋仲で、主人が物置小屋へ移ったのをきっかけに「虎屋」を
乗っ取ってしまいます。その後しばらく食事は運ばれてきていましたが、それも徐々にこなくなり、息子が
取りに行くと暴力をふるわれるようになり、最終的には近くに住む主人の幼なじみが面倒をみてくれるように
なっていました。あるとき、息子が言うには、物置小屋だけど上下に部屋があるのだから少しでもお客さんに
泊まってもらえるようになれば食べていけるくらいにはなると。そうして、なんとか物置小屋を宿に仕立て、
もともとたくさん棲んでいたネズミにちなんで「鼠屋」と名付けたのだといいます。
それを聞いた甚五郎は、木片でネズミを彫り出し、店の繁盛を願って店先に置きます。甚五郎が彫った木彫りの
ネズミはまるで生きているように動き回り、この噂が広まってネズミ見たさの客で「鼠屋」は繁盛するように
なりました。一方、「虎屋」は乗っ取りの噂も広まって客足が途絶えていきます。
ところで、仙台にはその昔、甚五郎と彫り物対決をして敗れたことのある因縁の彫刻師がいました。「虎屋」の
番頭はその彫刻師に宿屋の名前にちなんだ虎を彫ってもらい、「鼠屋」のネズミを見下ろすように飾ります。
すると、ネズミは全く動かなくなってしまいました。
それを聞きつけた甚五郎が「鼠屋」を訪ねてみると、ネズミは少しも動かなくなっていました。ところが、
甚五郎には「虎屋」の店先に飾られた虎が出来損ないにしか見えません。
そこで、ネズミに「なんであんな出来損ないの虎に怯えるのか。」と尋ねると、ネズミはこう答えます。
「あれは虎なんですか?てっきり猫だと思っていました。」と。

|最後に

いかがでしたか。
才能があるだけでなく、人情深くて、甚五郎カッコイイですよね!
落語は噺家によってセリフ回しなどが違い雰囲気も変わってくるので、ぜひ実際に聴いてみてくださいね。
また、ご紹介した日本舞踊や歌舞伎、落語以外にも甚五郎が活躍する作品は数多くありますので、
何かの機会にご覧になっていただけたら嬉しいです。

 

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