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いまも昔もヒトの考えることって実はあんまり変わらない。
日本舞踊のストーリーを読み解いて、そこに登場するキャラクターたちの現代にも通じる想いを
お伝えしていきたいと思います。
もしかしたら、あなたの悩みを解決するヒントがみつかるかも…
今回は、辰姫のモデルになったといわれている、平安時代後期の伊豆国伊東荘(現在の静岡県伊東市)
の豪族、伊東祐親(すけちか)の三女、八重姫のお話です。
|八重姫
八重姫は、「曽我物語」「平家物語」「源平盛衰記」「源平闘諍録」といった物語には登場しますが、
「吾妻鏡」のような歴史書や史料には記載がありません。また、これらの物語にも名前の記載はなく、
「八重姫」という名前は江戸時代末期の伊豆の郷土史「豆州誌稿」で初めて登場します。
そのため、実在したのかどうかはっきりとはわかりませんが、伊豆に八重姫に所縁ある場所が多数あるため
八重姫と思われる人物は存在していたのではないかと推測できます。
|頼朝との恋
1159年、平清盛を中心とした平氏と源義朝を中心とした源氏が朝廷の実権をめぐって対立し、平治の乱が
起こります。結果、平氏が勝利し、敗れた源氏の嫡男、源頼朝は伊豆国に流されることになります。
その流罪となった頼朝の監視役となったのが、伊豆国伊東荘(現在の静岡県伊東市)の豪族、伊東祐親でした。
祐親は伊豆で最も力をもっていた一族で、平家家人として格別の恩恵を受けていました。
4人の娘がいて長女と次女は嫁いでいましたが、三女と四女は伊豆にいました。なかでも三女の八重姫は美人で
評判だったといいます。その噂を聞いた頼朝は、密かに八重姫と逢瀬を重ねるようになります。
「曽我物語」によると、2人は音無神社のなかにある「おとなしの森」で逢っていたといいます。
とはいえ、昼間は会うことは難しかったので、その裏手にある音無川(松川)対岸の「ひぐらしの森」で、
頼朝は日が暮れるのを待っていたそうです。とてもロマンティックですよね。
逢瀬を重ねるうちに、2人の間には千鶴御前(せんつるごぜん)という男子が誕生し、頼朝はとても喜んで
寵愛していました。
|父、伊東祐親
ところが、これは八重姫の父、祐親が大番役(京の警護の役務)で留守だったときの出来事で、祐親が戻って
きたときには千鶴御前は3歳になっていました。祐親は、愛娘と流罪となっている頼朝との間に男児が
生まれていたことに激怒し、またそのことで平家から咎を受けることを恐れ、郎党らに命じて千鶴御前を
連れ出し簀巻きにして音無川に沈めて殺してしまいました。そして、八重姫もすぐに別のところへ嫁がせて
しまいます。
さらに、祐親は、頼朝を暗殺する計画も企てました。ところが、祐親の次男、祐清は頼朝の乳母の娘を
妻にしていたため、頼朝に計画を伝えて北条時政のもとへと逃がしました。時政の長女が後に頼朝の正妻となる
北条政子です。
頼朝との仲を引き裂かれ、無理やり嫁がされた後も、八重姫は頼朝を忘れることができず、2年後に北条家に
いる頼朝を訪ねます。ところがその頃には、頼朝は政子と結婚し、子をもうけていました。ショックを受けた
八重姫は悲しみのあまり、真珠ケ淵の激流に身を投じたといいます。
*八重姫のその後には諸説あります。
|3人の恋愛観
「曽我物語」には、北条政子は八重姫に比べてはるかに美しく、その美貌に惹かれた頼朝は、最初の逢瀬の後
離れがたくなったと書かれています。仲を裂かれたあともずっと思い続けていた八重姫に対して、
次の恋を始めるどころか、結婚し子供までいた頼朝はちょっとドライ過ぎる気がします。
ちなみに、頼朝は結婚した後も複数の女性と関係を持ちます。ただ、もしかしたら都会育ちで源氏の御曹司
だった頼朝にとっては、より多くの子を授かるために普通のことだったのかもしれません。
頼朝が父親の留守を狙っていたのかどうかはわかりませんが、政子も頼朝と恋仲になったのは、父親の時政が
大番役で留守のときでした。そして、祐親と同じように、時政は平家の怒りを恐れ、2人の仲を引き裂いて、
政子を別なところへ嫁がせますが、どうしても嫌だと言って政子は頼朝のもとへ戻っていきます。
どこまでも対照的な八重姫と政子です。
|最後に
いかがでしたか。
世の中の仕組みや社会通念は違っていても、人を愛おしいと想う気持ちは今も昔も全然変わらないですね。
自分の気持ちに素直に行動した方がいいのか、それとも周囲との衝突を避けて気持ちを飲み込んだほうが
いいのか・・・ただ、こと恋愛においては、前者のほうが勝者になりやすいのかもしれません。
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