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物語に登場する人物の着物姿ってみんな魅力的。
特に明治、大正から昭和初期の文学作品は描写がとても繊細で、
着物も帯も小物も…そのひとつひとつにこだわりを感じます。
時代や背景は変わっても着物の着こなしの参考になること間違いなし!
作品を通して着物への想いが深まりますように……
今回は、尾崎紅葉作「金色夜叉」のヒロイン、鴫沢宮(しぎさわ みや)のコーデです。
「金色夜叉」のストーリーは「金色夜叉② ~ 今月今夜の」をご覧ください。
|鴫沢宮
尾崎紅葉の作品には、明治時代の華やかな着物文化が繊細に描写されています。
「金色夜叉」の世界観には全体に暗鬱とした情感が漂っていますが、そこで描かれている着物は
当時の流行を色濃く映し出しています。
ヒロインの鴫沢宮に注目してみましょう。
日本近代文学館所蔵 武内桂舟画 「金色夜叉」初版本の口絵
https://www.bungakukan.or.jp/cat-exhibition/13436/attachment/%E9%87%91%E8%89%B2%E5%A4%9C%E5%8F%89/
|外見
鴫沢宮は、美しい顔立ちと抜群のスタイルをもち、その際立った肌の白さは、周囲の艶やかな色彩を
凌駕するほどで、立居振舞も完璧で洗練されています。
そして、その美しさは単に整っているというだけでなく、見る者を惑わせる独特な色気があり、
初めて会った人が花柳界の高級な芸者や遊女と見間違うほど妖艶で、その艶と色っぽさは良家の
お嬢様からは決して感じられないほど強烈で魅力的だと描かれています。
また、その美貌は国際レベルで、音楽学校に通っていた頃には、その美しさに魅了されたバイオリンの
プロフェッサーのドイツ人男性から熱烈なプロポーズを受けるほどでした。この当時、音楽の本場から
来日したヨーロッパの音楽教授はステータスの高い存在とされていて、このエピソードは鴫沢宮が
自身の美しさの価値に気付くきっかけとなりました。
鏑木清方記念美術館所蔵 鏑木清方作 「婦人倶楽部」附録「金色夜叉」口絵
https://www.kamakura-arts.or.jp/kaburaki/collection/sigisawamiyanozou.html
|小豆鼠の縮緬
重げに戴ける夜会結(やかいむすび)に淡紫(うすむらさき)のリボン飾して、小豆鼠(あずきねず)の
縮緬(ちりめん)の羽織を着たるが…
「金色夜叉」より
これは、物語の冒頭、鴫沢宮が歌留多(かるた)会を訪れた際の装いです。
「金色夜叉」は、お正月に30人ほどの男女が集まって歌留多会を楽しんでいるところから始まります。
この歌留多会は、表向きは普通のお正月のパーティー(社交の場)ですが、実際には婚活パーティーとしての
側面がありました。当時は、男女が自由にデートしたり、集まったりすることが厳しく制限されていましたが、
お正月の百人一首(歌留多会)だけは、男女が集まって健全に遊ぶことが許された数少ない社交の場でした。
そのため、普段は箱入り娘として守られていた良家の令嬢たちは、高価で華やかな着物を着て自身をアピール
しました。
そんな中、鴫沢宮は「小豆鼠(あずきねず:やや赤みがかった渋いグレー)」という、あえて地味で落ち着いた
シックな羽織を着ています。しかし、髪型は高くボリュームを持たせて結い上げた夜会結に、淡い紫色のリボン
を添えるという、おしゃれでハイカラな最先端のスタイルでした。そしてこれは、流行に敏感なモダンガールの
象徴的な髪型でもありました。
歌留多会に集まっていた多くの令嬢たちは、伝統的な日本髪を結い、着物の華やかさで勝負していましたが、
鴫沢宮は最先端の髪型とあえて引き算をしたシックな色合いの着物という計算されたファッションで「美」を
際立たせていました。
上品な地味さを見せる鴫沢宮の装いは「夜明けの星のように気高く輝いていた」と描写されています。
|最後に
いかがでしたか。着飾った参加者たちの多い歌留多会に、あえて引き算のファッションで気品を際立たせた
鴫沢宮に、ダイヤモンドの指輪を身につけて参加した大富豪の富山唯継はノックアウトされてしまいます。
鴫沢宮のあざとさの勝利といったところでしょうか。そして、これが悲劇の始まりだったともいえます。
次回も鴫沢宮のコーデをご紹介したいと思います。
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